* * *


結局俺の頭痛は全く良くならず(ちゃんと薬も飲んだ)、下校時刻を迎えた。
帰りのHRには顔を出さず、俺は保健室の先生に帰ることを告げて、保健室を後にした。


なんだか妙にふらつく体。
こんなに弱る自分も珍しい。
微妙に火照ってきた。熱だとまずい。さすがに気合だけじゃ熱はどうにもならない。



「あー…熱っぽい。」


俺は自分の額に触れる。
熱い。いや、体はもっと熱い。



俺は力の入らない体を引きずりながら、なんとか校門を出た。
徒歩15分の道のりだ。
とりあえず家にさえ着けば大丈夫。



「…っ…。」


俺は電柱に右手をついた。
自分が思っているよりも上手く歩けていないらしい。








「高橋くん!!」