エンプティープリンス

「行かない。
そういう気分じゃ…」

「王子様連れていくって言っちゃったもーん!!
頼むよー奏。」

「悪い。本当に今日はそういう気分じゃない。」



清い気に当てられた。
そんな感じ。
とにかく…いつもみたいな優しい仮面を被った王子様を演じる気分では当然ない。
むしろ、今日は仮面自体被れそうにない。

…頭が痛くなってきた。


「俺、保健室行くわ。」

「え?なんで…?」

「妙に頭痛ぇ。」

「マジ!?俺、付き添おうか?」

「いい。んなか弱くねぇよ。」



女じゃねぇし。
保健室くらい一人で行ける。

俺はゆっくりと立ち上がった。