…渡すしか、ないよね。 本音は渡したくないし、直也へのこの気持ちが、届かなければいいと思ってる。 だけど、引き受けたにも関わらず、無視をするような、そんなズルい人間にはなりたくなかったんだ。 …まぁ、既にずるい人間なんだけどさ。 『……。』 コスモスは風のように去ってしまった。 たった1つ、ラブレターだけを残して。 …今はコスモスの季節かもしれないな。 そんなことを、ふと、感じた。