――別に、それでもよかったの。 直也が私の先を歩いたって。 直也が彼女を作ったって。 …第一私は、この恋を叶えるつもりなんて、ひとたまりもない。 「おー、直也じゃんかよ!おはよう!」 校門を入ってすぐ、友達が多い直也は、挨拶代わりに友達に囲まれる。 それを、まるで他人のように眺める私。 『……。』 こんなの、いつものこと。 毎日の、見慣れた光景。