「…という、ワケなんだよね。」 カラン、と。 砂糖とミルクを交わせるたびに重なり合う、氷の音。 あの時より数倍大人になった彼は、私の目の前で足を組み直す。 「あの時の俺は、愛未ちゃんを助けたいとかじゃなくて。」 『うん。』 「姉ちゃんと愛未ちゃんを、重ねてただけなんだと思う。」 『へぇ~…。』 そう言って、彼がコーヒーを混ぜるスティックを置いた瞬間、今度は私が別のそれを手にとる。 ミルクを入れた時のアイスティーは、小さな波紋が広がっていくみたいだ。