わざとらしいツンツンとした口調で抗議する直也と、それを冷静にスルーする先生。 これは、数学ではお決まりの光景。 2人のやり取りは見てて面白いから、この組み合わせは凄く人気がある。 今だって、クスッて。 誰かが漏らした声が原点となり、どんどん笑いの輪が広がっているんだ。 『……。』 頬杖をつきながら、ジッと直也の背中を見つめ続ける。 …授業中の直也の背中とか、登校中の直也の背中とか。 本当はもう、見飽きた。 いつになったら、私は直也を正面から見ることができるんだろう。