だからこそ、愛未ちゃんを見た時、本当に姉ちゃんかと思った。 直也くんが「愛未。愛未」って呼ぶたびに、姉ちゃんの願いと笑顔が頭に浮かんだんだ。 『……っ』 酒井さんに、頭をポンってされた。 小さい子をなだめるような、どこか優しい温もり。 やっぱり俺は子供なんだと思ったけど、今はそれでいいと思う。 「…またいつでも遊びにおいで。」 ちっぽけで、外見だけ強がっていて、どうしようもなく子供な俺だけど。 姉ちゃんの願い、叶えたから。 少しだけ、大人に近づけた気がするから。