『…ありがとう。』 いつだって俺の周りには、優しさが溢れていた。 姉ちゃんを失いボロボロになった俺を、酒井さんが救ってくれた。 自分の危険を犯してまで、俺が一歩踏み出すチャンスをくれたんだ。 「…圭くんだったからだよ。」 それは集中して聞きとらなきゃ聞こえないぐらい、小さな声。 予想外の言葉に、俺は思わず耳を疑う。 『えっ…。』 「圭くんだったから、愛未ちゃんのことを教えたんだ。」