本当は俺は、嬉しくて仕方なかったのかもしれない。 ただ姉ちゃんを失った俺は、素直に喜べずにいた。 姉ちゃんの存在が、心のどこかに引っかかっていたんだ。 『姉ちゃんっ…。』 今日、愛未ちゃんの手術が成功したよ。 それは、姉ちゃんの言葉があったからこそであって。 姉ちゃんの願いが、やっと叶ったんだ。 「…圭くん」 酒井さんが、ポツリと俺の名前を呟く。 それに俺は、小さく耳を傾けた。