口先には、まだ直也の余韻が微かに残っていて。 ついさっきの出来事なのに、何年も前のように感じるあの時間を、静かに思い出していた。 …瞬間、とか存在しなかった。 気づいたら特別で、側にいると優しい気持ちになれた。 気がつけば、私の目線にはいつもあなたが映っていた。 …いつからだろうね。 君を、好きになっていたのは。 ――――――――… ―――――――… ――――――…