『うん、頑張るね!』 そう言って、私も片手をあげながら、笑顔を見せてみる。 絶対、直也のもとに戻ってこよう。 絶対、戻ってきて見せる。 私は今から、生きるために手術を受けるんだ。 『またね!』 そう言って、直也のいる個室から、一歩踏み出す。 スタンバイ完了。 手術まで30分。 私は手術の場所へと向かう。 ――…ラブレターを、渡すことなく個室に残したまま…。