『本物だよね…?』 一番聞きたかったことを、声を震わせながら聞いてみる。 そしたら、直也は不器用すぎる笑顔を見せながら、また一歩私に近づいた。 「本物に決まってんじゃん。」 かすかに見える、白い歯。 自分の家みたいに接していた、直也の家の匂い。 直也が実物だと言う証拠に、なんだか泣きたい。 わからないことだらけだけど、それよりも嬉しさが勝っているの。