「今の愛未ちゃんは、大切なものを失ったようだからね…。」


「……。」


「あまり生命力が感じられないから…。」




ため息のように、吐き出された言葉。



それに同時に、2人とも悲しげに下に視線を移す。





「愛未ちゃんの“大事な人”がそばにいてくれれば…」




語尾がかすれた医者の声は、乾いた診察室に消えていったのだった。