『…ん。お願い。』 そう言って、顎をクイって引く私。 下向き加減になった私の顔は、赤くなった頬を隠すのに丁度いい。 ――彼。 暁 直也 を好きになって、早7年目。 私の心は、彼にずっと振り回され続けてる。 「りょーかい♪」 そう言って、明るい声を出しながら、一歩、一歩とこちらに近づいてくる直也。 下を向いてるから顔は見えないけど、多分。 直也は二カッと、私が好きな爽やかな笑顔で微笑んでいるのだろう。