病院で定期検診を終え、家に帰る途中だった。 「あーみちゃん!」 独特の足音と、チャラい人特有の喋り方。 …私のこと、『愛未ちゃん』と外で呼ぶのは、奴しかいない。 『…浅野目くん。』 振り向いた先にいたのはやっぱり彼で、私は呆れたようにため息をついてしまった。 そして、呆れた気持ちと一緒に込み上げてくるのは、少しの緊張感。 …浅野目くん、いつから後ろにいたんだろ。 病院から出てくるとこ、見られてないよね?