目から零れ落ちるのは、失ってしまったあの時の気持ち。 それを隠すように、私は手のひらで顔を覆う。 好きだけど、辛い。 直也を好きでいたいと思うけど、それは苦しくて仕方ないの。 『…好き。』 今なら、誰もいないから。 今なら、誰にも聞かれないから。 1日、1日と積み重ねてきた想いを呟いてみる。 それは想像以上に重く、だからこそ、本人には絶対知られてはいけないものだった。