優しい声に、優しい目。 昔は当たり前のようなことだったけど、今はなんとなく慣れない。 長い間冷たくあしらわれていたせいか、まだ戸惑いが隠せないの。 「帰るぞ。」 『あっ、うん!』 直也に軽く笑いかけられて、慌てて机の上のバックを手にする私。 当たり前のように先に行ってしまった背中を、小走りで追いかける。 授業中以外の直也の後ろは、とてつもなく懐かしく感じた。