―…あぁ、彼女は全部知ってるんだ。 知っていて、俺にラブレターを渡したんだ。 『……愛未っ!』 通じあわない想いを、確かめるように。 まるで、掴めるはずのない雲を掴んだように。 ―…俺は、彼女を力の限り抱きしめたのだった。