――幼なじみ。 と、世間一般的に言われる関係の私と直也。 マンションの部屋は隣だし、小中高と学校が同じ。 登下校はいつも直也と一緒だったりする。 『……。』 それは、最高に喜ばしいこと。 無条件で近くにいられる、私の特権。 ――だけど。 私にとって、その“唯一の特権”は、時に嬉しく、時には憎たらしいものでもあったんだ。