「治樹があんなにもデッレーな面を見せるなんて!
高校からの付き合いだけどっ、治樹は今まで男女共にシニカルな笑みを浮かべなかったのに!
なんてこったい!
明日の天気は大荒れだぞ!」
「どんだけ動揺してるんだよ、佐藤は」
「浩司! おっ前は大学からの治樹しか知らないから能天気にそんなことが言えるんだ!
三年間、治樹を見てきた俺にとってっ、これは地球滅亡の次に衝撃的な光景だぞ!
……デレな治樹を見たいとは言ったけど、いざとなると心臓に悪い。ギャップが激しすぎる」
胸を押さえる優一の騒ぎ声に驚いたのか、那智はビビッて上体を起こす。
そしてやっと此処は自分の見知らぬ部屋だって気付いたんだろう。
見知らぬ顔ぶれと部屋に怖じ、那智はそそくさと俺の後ろに隠れた。
強い警戒心を優一達に向けている。
「恐がらなくてもいいよ」
ナナシ女が声を掛けるけど、那智にとってナナシ女の第一印象は最悪。身を小さくしちまう始末。
けどナナシ女は悪態を付かなかった。
多分那智と俺の境遇を知ったからだろう(あんな傷痕を見たら、普通の奴は気を遣うんだろうな。俺が身体測定を受けた時も同じような気遣いを受けた)。
言葉を選んで、
「大丈夫かな」
声を掛けている。
優しい声に那智はおずおずナナシ女を見ようとしたけど、その前に俺が那智を背に隠して制す。
どっかムッとするナナシ女だけど、那智に近付かないで欲しいのが俺の本音。
助けてくれたことは感謝する。
でも弟に近付くとこれは別だ。
と、思ってた傍らから優一がひょっこり俺の後ろに回って那智に話し掛ける。
「恐がらなくていいよ。俺、佐藤 優一。治樹の同級生。優一でいいからな?
向こうが早川 浩司。
あっちの女の子が安河内 友香。
この部屋の主で、君を助けてくれたのがえー…名前何だっけ? ナナシちゃん?」
「ち、違うわよ!
それはその男が勝手に言ってるだけ!
あたしは福島 朱美(ふくしま あけみ)よ!」
「だって。ヨロシクな」
高校からの付き合いだけどっ、治樹は今まで男女共にシニカルな笑みを浮かべなかったのに!
なんてこったい!
明日の天気は大荒れだぞ!」
「どんだけ動揺してるんだよ、佐藤は」
「浩司! おっ前は大学からの治樹しか知らないから能天気にそんなことが言えるんだ!
三年間、治樹を見てきた俺にとってっ、これは地球滅亡の次に衝撃的な光景だぞ!
……デレな治樹を見たいとは言ったけど、いざとなると心臓に悪い。ギャップが激しすぎる」
胸を押さえる優一の騒ぎ声に驚いたのか、那智はビビッて上体を起こす。
そしてやっと此処は自分の見知らぬ部屋だって気付いたんだろう。
見知らぬ顔ぶれと部屋に怖じ、那智はそそくさと俺の後ろに隠れた。
強い警戒心を優一達に向けている。
「恐がらなくてもいいよ」
ナナシ女が声を掛けるけど、那智にとってナナシ女の第一印象は最悪。身を小さくしちまう始末。
けどナナシ女は悪態を付かなかった。
多分那智と俺の境遇を知ったからだろう(あんな傷痕を見たら、普通の奴は気を遣うんだろうな。俺が身体測定を受けた時も同じような気遣いを受けた)。
言葉を選んで、
「大丈夫かな」
声を掛けている。
優しい声に那智はおずおずナナシ女を見ようとしたけど、その前に俺が那智を背に隠して制す。
どっかムッとするナナシ女だけど、那智に近付かないで欲しいのが俺の本音。
助けてくれたことは感謝する。
でも弟に近付くとこれは別だ。
と、思ってた傍らから優一がひょっこり俺の後ろに回って那智に話し掛ける。
「恐がらなくていいよ。俺、佐藤 優一。治樹の同級生。優一でいいからな?
向こうが早川 浩司。
あっちの女の子が安河内 友香。
この部屋の主で、君を助けてくれたのがえー…名前何だっけ? ナナシちゃん?」
「ち、違うわよ!
それはその男が勝手に言ってるだけ!
あたしは福島 朱美(ふくしま あけみ)よ!」
「だって。ヨロシクな」



