「この馬鹿っ、心配させてっ!
兄さまの寿命をどんだけ縮めたいんだっ!
生きた心地もしなかっただろうが!
……嗚呼でも、目が覚めて良かった。本当に良かった」
「ご…ごめんなさい。
でも兄さま、ちょっと…痛いです」
「心配させた仕置きだ。我慢しろ」
ギュウギュウ抱き締めて頭を撫でる。
うーっと唸る那智はイタイイタイと連呼。
それさえ無視して、俺は弟を抱き締めた。
心配した気持ちを籠めて。
「いやぁー微笑ましくも感動のシーンなんだろうけど…。
普段の治樹を知っているだけに…どうも治樹がこうも弟に対して甘いと…」
優一が唖然とし、
「下川は佐藤の言うとおり、ツンデレだったんだな。
俺等にはツーン、弟にはデーレな奴なのか」
浩司が微苦笑、
「ああいうの…、ブラコンっつーのよ」
ナナシ女が憮然と肩を竦め、
「でも何だか…、ブラコンと違う気がする」
含みある台詞を安河内が零す。
大概失礼なことを言ってくれたが、俺は気にすることなく那智を抱き締め続けた。
失うかもしれなかった温もりを自分の中に取り込むように、ずっとずっとずーっと那智を抱き締め続けた。
気が済むまで抱き締めた後、俺は那智を解放して具合を尋ねた。
圧死するかと思った、なんて冗談交じりに笑う那智に俺も一笑。
途端に優一が「治樹がデレたぁああ!」発狂したように叫ぶ。



