(旧)ふたりぼっち兄弟【BL寄り】

そうやった正門を出た俺等だったけど、


「なあ…あれ」

「酷いよね」

「病院…か?」


門向こうで何だかヒソヒソ話。

野次馬がチラホラ。

何かあったのか?
興味ねぇけど。

肩を竦める俺に対し、他の面子は興味が湧いたようで視線を投げている。




「あ…あれ、あんたの弟じゃない…?」



俺の弟?

ナナシ女の声で俺の興味が一気に湧いた。


血相を変えて野次馬の方を見やれば、塀にぐったりと寄り掛かって突っ立ってる那智がいた。
学ラン姿の那智のこめかみからは重力にしたがって落ちる血。



…血?


片腕を押さえて荒呼吸を繰り返す那智は、虚ろな目で宙を見つめていた。

読んでいた文庫を投げて、俺は那智に駆け寄った。



「那智!」



声音を張って那智を呼ぶ。

はぁっ…息を吐く那智は、ゆっくり俺の方に視線を向けて目尻を下げる。

塀から背を離して、体を引き摺るように歩み寄って来た。


俺の前に立つ那智は、

「ごめんなさい」

驚かせたことを謝罪してくる。


「ちょっと…あって…、怪我…しちゃい…っ…」

「那智!」


その場に崩れる那智の体を受け止め、俺はしっかりするよう何度も体を揺する。

けど那智は呼吸を乱すだけ。

俺の呼び掛けに反応する余裕は無いみたいだ。