(旧)ふたりぼっち兄弟【BL寄り】

結局、話にもならない話し合いは平行線のまま。
 
俺は謝る気もないし、フッた女に会う気もなかった。

素っ気無い俺の態度にナナシ女も安河内も呆れた様子。
さすがの優一と浩司も俺の態度に、

「頑固だなぁ」

って憮然と肩を竦めていた。


執拗にナナシ女には“冷血男”って言われたけど…。


他人に優しくできねぇ俺ができることっつったら、そいつの前に極力現れないことだろ。
俺と接触すればするほど傷付くと思うけどな。

何より上辺だけの謝罪しか、俺にはできない。

真摯に謝罪するなんて無理だ。

罪悪感が湧かないのかって聞かれたら、今の俺じゃ皆無ってしか答えられない。


俺は他人への感情を感じられなくなってる(感じたくても、もう感じられない)。



午後の授業を受けた後、俺はバスに乗るために大学正門に向かった。
 
同じ講義を受けていた優一と浩司も帰る方向が一緒だから、必然的に俺と同行。

幸か不幸かさっき話し合った安河内とナナシ女に遭遇しちまったから、なんとも言いようのない五人のメンバーで正門を向かう羽目になった。


優一は浩司と、ナナシ女は安河内と会話。

俺は会話に加担せず、携帯を弄るのに専念していた。
このまま何事もなく正門に迎えれば俺も万々歳なんだけど、残念な事にナナシ女が絡んでくる。

正義感溢れたナナシ女は、どーしても俺に頭を下げさせたいらしい。

高村彩加に謝れの一点張り。


でも俺は無視した。

相手をするだけ無駄だって思ったんだ。