(旧)ふたりぼっち兄弟【BL寄り】

けど邪魔だって言うのも億劫だから好きにさせておく。


文庫に目を通しながら飯を食ってると、

「ほんっと下川ってドライだよな」

浩司が俺に話し掛けてくる。

俺の性格にドライだって変に感心してくる浩司を一瞥して、俺は肩を竦めた。

そこがドライなんだと浩司は匙で俺を指してくる。


「愛想良い下川なんて見たこと無いよな。
少しは愛想良くしてみろって。
もっと女にモテるぞ。

顔立ちはいいんだから」


「なんで女に媚びる必要性があるんだ。女なんか要らねぇ」


「……。青年の言う台詞じゃないぞ。
枯れたところがまたドライだな、下川。
ストイックっつーの?」


「まあさ、治樹はツンツンくんだからしょーがないと思うけど、いっつか俺達にデレの部分を見せてくれるって信じてるぜ!」


親指を立ててくる優一をスルーして、俺は文庫のページを捲った。
ツンデレも何もねぇよ俺は。

他人に興味が無いだけだ。
興味を持ってもそいつ等、結局は他人だろ? 他人なんざ信用置けねぇじゃねえか。

オムライスを匙で掬って口に運びながら、文庫に目を通していると、


―――バンッ!


………。


一昨日と同じような光景が俺を襲ってきた。


敢えて無視すりゃ文庫を取られる始末。

あーあ、もう嗅ぎ付けて来やがったのか。ナナシ女。


俺は力なく視線を投げる。
そこには仁王立ちしているナナシ女。「やっと見つけた」忌々しそうに俺を睨みつけて、ナナシ女は文庫を床に落とした。

どーでもいいけど、それ、図書館から借りた文庫なんだがな。

俺の私物じゃねえぞ。汚したらてめぇが弁償しろよな。


「サイッテーブラコン男! あんた、いい加減に無視するのやめてくれない?!」


相手にしたら終わりだな。

俺は食事に専念することにした。


「ブラコン?」


お前ブラコンだったのか? てか兄弟いたのか?

優一が質問してくるけど、スルーした。
話してやる義理はねぇ。

オムライスを口に運んでいく。