不安の色を見せる那智は、


「恋愛してもいいですけど…」


でも捨てないでと言葉を付け足してくる。


あと、自分達をぶたない人がいい。
兄を大事にしてくれる人じゃないとヤダ。
自分を疎まない人が良い。

母親みたいに自分達を虐げるような恋人は嫌だ。


またあの日々を繰り返したくない。


矢継ぎ早に喋る那智を落ち着かせて、俺は那智に言う。


てめぇが一番だよって。

 
「俺が那智を置いて恋愛するわけねぇだろ。兄さまのこと、信じられないか?」


「いいえ…、でも…不安です。
おれ、兄さまがいなくなったら、きっと独りぼっちなんだろうなーって。

でもですね、兄さま。
兄さまが幸せなれるなら、おれ、なんだってできます」


おれが邪魔で消えろって思ったなら…、おれ、消えることもできます。

兄さま、大好きですもん。


へらっと笑う那智に俺は大きな恐怖が芽生えた。
 
そして大きく動揺した。

那智が消える?
消えちまう?
俺から離れる?
捨てられる?

誰にも必要とされない日々が始まる?


またひとり?

一人?

独り?


ひとりbotti?



い、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だイヤだイヤだイヤだイヤだいやだいやだいやだ!


あの頃に戻るなんて絶対にっ「兄さま?」

俺の存在価値を誰にも認められなかったあの頃に戻るなんて絶対に「に、兄さま!」

独りにさせられるくれぇなら死んじまった方がマシだマシなんd「兄さま落ち着いて下さい!」

誰にも認められない必要とされなi…、じゃあ俺は何のために生まれてきt、なんで今此処で生kite「ごめんなさい兄さま、消えませんから!」

俺は誰だ名前は何ひとりの俺はなんて名前だっけ名前が欲しい存在理由がhosi…、でも俺にはnameがなk「治樹兄さまっ!」