まるで小説みてぇな物語で、


ところどころ付け足されたような駄作話かもしれねぇが、



これは全部本当に起きた話。



例えば俺が別の大学に通っていたなら、事件も何もなかったかもしれない。

例えばストーカーが俺に惚れなかったら、俺と福島は会わなかったかもしれない。

例えば福島が父親を助けたいと思わなければ、高村は福島のことを(正しくは名前を)利用としなかったかもしれない。

親父も、俺達におとなしく利用されるだけの小心者に成り下がっていたかもしれない。


例えば例えば、例えば。


出し始めたら切りがない。


だが一つ言える。
何が欠けてもこの物語は完成しなかった。

いや、まだ未完成。

俺が、
那智が、

死ぬまで未完成。


これからも例えば、


と過去を振り返りながら、

俺達は生きていくんだろうな。






ふたりぼっち、で、な。