「はるき…、ひとりになるなよ…。
俺みたいになるから。
那智くん、たいせつ…にな。
俺は治樹の…、反則教師ってヤツだ」
馬鹿、反面教師だ。
こんな時だけ素でボケるな。
「治樹…、俺…、生まれてこない方が良かった…んじゃないかって…いつも思ってた。
虐待のことも勿論あるけど…、普通の…家、生まれてたら、狂ってない俺がいたかもしれない。
もっと別の形で…治樹の、ほんとう…友達なろうとしたかもしれない。
でもな俺…、治樹が行方不明…なってさ。
スゲェ心配した。それはホントのはなし」
「ゆう…いち」
「でな治樹…、俺…、あいつ等…憎いんだ」
俺を捨てた母親とか、両親とか、俺を犯した叔父とか、白眼視してくる叔母、その子供。憎くて仕方が無い。
特に母親と叔父が憎い。
捨てるくらいなら最初から中絶の手段を選べば良かったのに、虐待するくらいなら施設に入れてくれれば良いのに、邪魔だと思うなら最初から、さいしょから。
生きること…疲れたなぁ…。
あ、でもまだ死にたくないや。
連載中の漫画とか気になるし、浩司と約束もあるし、
それに治樹ともっかいファミレスに行きたい。
今度は薬も目論みも何もナシな方向でさ。
「はるきぃ…おれっ、狂いたくなかっ…た」
泣き言を漏らしてくる優一は、まんま泣いてやがった。
「自己責任だ」
素っ気無く返すことに成功だけど、声音は震えていて、体は自然と動いていて。



