パチン―。
汚れた手の平で額を叩いた優一は、「デリカシー無いって」やれやれと大袈裟に溜息をついた後、「いいよ」治樹だから教えてあげると笑顔。
ザワ…、ひゅうひゅう…。
近くで夜風に揺れる草の音、んでもって高村の息遣いが聞こえてくる。
BGMに耳を傾けながら、人懐っこく優一は敬礼のポーズ。
「俺も虐待受けてっす!」
ついでに昔、戦隊モノが好きだったっす、明るく自分の過去を暴露し始める。
「は?」嘘だろ。目を削ぐ俺に対し、暴力は暴力でも精神的暴力だったと指を鳴らす優一。
つまりは性的な虐待を受けていた。面白おかしく語る。
「俺の両親。
てか、母親が俺を捨ててさ、幼かった俺は母親の弟。
つまりは叔父に引き取られたんだけど、そいつがどうも性悪みたいでさ。
結構なまでにあっらーんなことをしてきたんだよ」
はははっ、別に治樹みたいに顔がいけてるわけじゃないのに、俺、敷かれちゃってさ!
ギャーギャー喚きながら、大人の欲望を受け止めていたわけ。
あ、だからやり方については熟知してる。
弟くんとヤリタイなら教えてあげるぞ!
こういうことはプロに任せなさい!
って…、話はそれたけど、叔父さんがそうやって俺を嬲って、俺は嬲られて日々を過ごしていた。
ストレス発散道具として扱われてたんだ。
地獄だったよ、あの頃は。
だあれも助けてくれなかったし。
だけど、これは序の口。
もっと地獄が待っていた。
それは叔父さんは結婚。
俺に叔母さんができて、夫婦の間には子供もできて…、俺は厄介者扱いになったんだ。
直接的な血縁関係があるわけじゃないしな。
間接的な血縁関係のある子供より、直接血縁が結びついている子供の方が可愛い。
だから俺は邪魔。
てか、シカト。
無い存在として扱われてた。
シカトは暴行よりも精神的に辛い。
まるでお前なんか、世界に存在していないって態度で言われてるみたいで…。



