トンっと共犯は主犯の体を押した。
まるで綿毛のようにふわっと体が、コンマ単位だったが宙に浮き、無様にも雑草ばかり生えた…、冷たい土くれの上に転倒。
痛みよりも裏切りに目を白黒させているらしく、仰向けに寝転んだまま「なんで?」を繰り返している。
光景に膝をついていた治樹でさえ固唾を呑む、裏切りの現場。
艶やかに笑う優一は、「ごめーんな」彩加に両手を合わせて綻ぶ。
「俺もさ、欲しかったんだ…、治樹がさ。
あ、勿論友達としてだけどな。
治樹は俺にとってヒーローそのものなんだ。
そして治樹だからこそ、俺はあいつが欲しいし共有し合いたい。友達でいたい。デレな顔を見たい。
―――…大好きなヒーロー、俺もすっごく欲しかった」
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