そうそう、おれ達、梅林先生とよくカウセリングを受けているんだ。
兄さま曰く、完璧におれ達は異常者らしく、患者として扱っているとか。
心のケアをしたいんじゃないかって兄さまは言ってた。
心のケアも何も無いのになぁ。
「兄さま、おれ達、心の病気?」
「ちげぇよ。周囲が俺達を心の病気だと見下してるだけだ」
兄さまは盛大に皮肉った後、おれに愛してると言う。
うん、おれも愛してる。
兄さまに言って甘えると、
「これが心の病気だって思われるんだ」
変な話だろ?
ただ家族を愛してるだけなのに。兄さまは不思議そうに首を傾げた。
ほんとだとおれは頷く。
家族を愛している。愛していると口にしている。それだけで病気だなんて…、おかしな話。
と、まあまあ、そんな陳腐な日常が続くある日のこと。
おれ達のもとにお客さんが現れた。
刑事さん達も交えておれ達のもとにやって来てくれたのは、兄さまのお友達さんだった。
びっくり仰天したのはおれだけじゃなかった。
兄さまも心底驚いた様子だった。
「ツンデレ治樹っ、生きてたんだなぁ! 良かったぁ! 那智くんもホンット良かったっ、良かったぁ!」
病室に来るや否や、兄さまと俺の身の上を喜んでくれたのは優一さん。
良かっただの、心配しただの、矢継ぎ早に喋ってベッドに歩み寄って来てくれる。
他に見舞い客としてやって来たのは、浩司さん、福島さん、安河内さん…、それから見知らぬ女性。
名前は彩加さんって言うらしい。
皆の訪問に兄さまは流し目で見やった後、寝転んでいるおれの頭を撫でた。
「なんで来たんだ?」素っ気無く言っても、
「またツンしちゃって」優一さんは笑みを浮かべてフルーツの入ったカゴを兄さまに押し付ける。
「こういう時くらいデレを見せても罰は当らないって!
……で、治樹、具合はどうなんだ? なんか事件、巻き込まれたって聞いたけど」



