(旧)ふたりぼっち兄弟【BL寄り】



「兄さまが一番ですもん」


目を細めて笑う那智は兄さまに褒められた、安心したように笑みを浮かべて擦り寄ってくる。
笑みを返す俺だったけど、ふと扉の向こうに気配を感じた。

んでもって枕元に目を向ける。


ニヤリ、俺は忍び笑いを浮かべた。


おもむろに上体を起こすと、那智の口内に二本指突っ込んで掻き回す。

うぐっと呻く那智は眉根を寄せるけど、「舐めろ」構わず俺が命令。目を白黒させながらも、那智はおずおず指を舐めてくる。

ゆっくり指に舌を這わせてる那智に一笑。

上顎を擽りながら、片手で弟の寝巻きのボタンを外していく。


「那智、もっと上手に舐めてみろ。
そしたらご褒美やるから。
こんな騒動で随分ご無沙汰にしてたし、今日は焦らしながらゆっくりと上らせてやる」


今しばらくは誰も来ないだろうしな。
わざと大きめに声音を出しながら、俺は暫く那智に指を舐めさせる。

懸命に舌を這わす那智の鎖骨辺りが見えて、俺は生唾を飲んだ。


やべぇなムラムラしてきた。


あ、色欲じゃなくて、性癖でのムラムラ。
俺ってマジで肌フェチだから…、自覚してから何回那智の肌を舐めたか。吸ったか。噛んだか。嬲ったか。嗚呼、変態の域だ俺。
元々噛み癖があった俺だけど、原因は俺が肌フェチだからだ。

あーくそっ、噛みたい、舐めたい、吸いたい、俺の性癖畜生め。
性癖じゃなくて色欲を抱きたいっつーんだ、俺は。

舌を鳴らした後、俺は荒々しく那智を押し倒して寝巻きを肌蹴させると、剥き出しの鎖骨に歯を当てた。

「いたぁ」那智は声を上げて俺の首に腕を回してくる。

んで、俺に張り付いて耳元で囁いた。



「にーさま…、これ…、セックスみたいですけど…」



ご尤も、一応セックスのつもりだ。
振りだけど。


「そういう振りしてるんだ。
柴木って刑事、わざとそこの枕元に手帳を置いて行きやがった。
取りに戻る振りして、今そこで俺等の様子に探りいれてやがる。

ま、つまりでがばめしてるんだな」


ギョッと驚きそうになる那智の唇を塞いで、背中をゆっくりと撫でる。