【終章
  さ い あ い】



泣いているおれを、
兄さまがいつも慰めてくれた。


落ち込んでいる俺を、
那智がいつも励ましてくれた。


生まれた瞬間から、
おれには兄さまが傍にいてくれた。


ひとりぼっちだった俺に、
小さな那智が生まれてきてくれた。



暴力の嵐も、孤独な夜も、愛情に涸渇した日々も二人で過ごしてきた。




さあ、誓おう。



健やかなる時も、

病める時も、


その命の限り、


愛し合うことを誓おう。


二人で最愛人(咎人)になることを、此処で誓い合おう。