黙然と思考を巡らせる朱美を余所に、優一は「まさか!」と全力で否定。
自分の友人が殺人を犯すなんて有り得ない。
もしあったとしても、追い詰められるような事情があったのだ。
そうだ、きっとそうに違いない。
「あいつの弟、通り魔に襲われてるし…、俺はあいつ等の身が心配だ。行方不明だなんて!」
「落ち着け、佐藤。気持ちは分かるけど」
「だって浩司ッ! こんなことならっ、電話してみるんだった。くそっ」
優一は鼻を鳴らし、「あいつは優しいんだ」独白を漏らす。
優しいなんてお世辞でも言えない性格なのだが…、何か優一にとって思う節でもあるのだろうか。
朱美は不思議な気持ちで優一を見つめていた。
結局、この時の聴取は下川治樹の人柄や学生生活等、当たり障りのないもので終わった。
此方も午後の講義があるため、話を打ち切らなければならなかったのである。
刑事二人は後日、また現れると言って自分達の前から去っていったのであった。
聴取後、一同は各々講義のある教室へと向かう。
始終、彩加は青褪めた様子で震えていたが、朱美は教室が異なるため付き添えず、代わりに同じ教室に行くであろう友香に彼女を任せた。
何やら彩加の様子がおかしかったのである。
ブツブツと言の葉を漏らしている彩加はいつもの引っ込み思案な性格は見せず、ただただ震えてブツブツブツブツ。
一人にすると何をしでかすか分からない。
だから友香に任せたのだ。
さて朱美はというと、同じ講義を取っている優一や浩司と共にいた。
ざわめく教室に入り、教授の死角になるであろう後ろの席を陣取った後、朱美は真ん中に腰掛けている優一に声を掛ける。
まだ連絡してみれば良かったと悔いている優一は、朱美の呼び掛けに力なく失笑。
元気の無い優一に大丈夫かと当たり障りの無い気遣いを掛けてみる。
「すっごく動揺してる」
優一は溜息をついて、表情を曇らせた。
自分の友人が殺人を犯すなんて有り得ない。
もしあったとしても、追い詰められるような事情があったのだ。
そうだ、きっとそうに違いない。
「あいつの弟、通り魔に襲われてるし…、俺はあいつ等の身が心配だ。行方不明だなんて!」
「落ち着け、佐藤。気持ちは分かるけど」
「だって浩司ッ! こんなことならっ、電話してみるんだった。くそっ」
優一は鼻を鳴らし、「あいつは優しいんだ」独白を漏らす。
優しいなんてお世辞でも言えない性格なのだが…、何か優一にとって思う節でもあるのだろうか。
朱美は不思議な気持ちで優一を見つめていた。
結局、この時の聴取は下川治樹の人柄や学生生活等、当たり障りのないもので終わった。
此方も午後の講義があるため、話を打ち切らなければならなかったのである。
刑事二人は後日、また現れると言って自分達の前から去っていったのであった。
聴取後、一同は各々講義のある教室へと向かう。
始終、彩加は青褪めた様子で震えていたが、朱美は教室が異なるため付き添えず、代わりに同じ教室に行くであろう友香に彼女を任せた。
何やら彩加の様子がおかしかったのである。
ブツブツと言の葉を漏らしている彩加はいつもの引っ込み思案な性格は見せず、ただただ震えてブツブツブツブツ。
一人にすると何をしでかすか分からない。
だから友香に任せたのだ。
さて朱美はというと、同じ講義を取っている優一や浩司と共にいた。
ざわめく教室に入り、教授の死角になるであろう後ろの席を陣取った後、朱美は真ん中に腰掛けている優一に声を掛ける。
まだ連絡してみれば良かったと悔いている優一は、朱美の呼び掛けに力なく失笑。
元気の無い優一に大丈夫かと当たり障りの無い気遣いを掛けてみる。
「すっごく動揺してる」
優一は溜息をついて、表情を曇らせた。



