(旧)ふたりぼっち兄弟【BL寄り】

車道を走り住宅街に入る、マンションを曲がった先にとある一角、そこが我が家だ。

二階建の一軒家の前で降ろされた芙美子は、鳥井から家に篭ってるよう命令を受ける。

死体処理をしてからもう一度此処にくるから、逃げてもいいけれど、果たして自分から逃げられるかどうか、挑発的な口調に目の前が赤く染まったが、どうにかこうにか芙美子は怒りを抑えることに成功した。
 

急いで家に上がると、玄関の鍵を閉めチェーンを掛ける。

それだけでは足らず、一階の窓から二階の窓、勝手口、すべての出入り口に鍵を掛けた。


「よし」


芙美子はホッと胸を撫で下ろし、次の行動に移す。


警察に連絡しようと思ったのだ。

少なからず自分にも飛び火が飛んでくると思うが、この際、命に代えられない。


このままでは取り返しの付かないことになりそうなのだ。


急いで電話台の前に立ち、受話器を取ってボタンを押す。

しかしうんともすんとも言わない。


コードが取れているのか?

電話線に目を向け、芙美子は絶句。


電話線がスッパリと切られている。


鳥井の仕業に違いない。
舌を鳴らす芙美子だが、まだ冷静は欠かしていなかった。

今の時代は携帯だ。
自宅の電話が使えなくとも連絡手段はある。

リビングキッチンに戻って、テーブルに投げていたバッグを引っ掴んで携帯を探す。
今度は携帯が見つからない。


おかしい、先ほどまで見当たっていたのに…、鳥井の車の中に落としてきたのだろうか。


いや車内では携帯を取り出していない。

まさか、見越して取られたのだろうか。


さすがの芙美子も冷静を欠く。


躍起になりながらバッグを引っくり返す。

財布、ハンカチ、メイクポシェット、鏡、口寂しい時の飴玉。肝心の携帯が見当たらない。







「お探しのブツはこれか?」








含みある声に芙美子はゾッと背筋が凍った。