(旧)ふたりぼっち兄弟【BL寄り】

翌日―。


約束の日を迎えた芙美子は早朝から警察の電話で叩き起こされていた。


下川兄弟の行方を得るために聞き込みを開始しているのだろう。
用事からで一蹴した芙美子は、恋人の迎えを待っていた。これから車でデパートに向かうのだ。鳥井と会うために。

バッグには百万ちょいしか入っていない。

交わした契約金とは程遠い額だが、一度目は次男を逃がし、二度目は兄弟を世間体の目に曝け出した。


向こうは二度も失態をしてくれたのだ。
百万払うのも惜しい。


だから文句ついでにまけて貰う予定でいる。


こっちには強い味方がいるのだから、強気でいられる。


しかし、待てど暮らせど迎えは来ない。


一体全体何をしているのか、地団太を踏み始めた頃、携帯にメールが入る。


中身を開けば『サツがまだ自分を狙ってる』というもの。
どうやら撒けていないようだ。

安易にそっちに行けば飛び火が来る。
悪いが先にデパートに言って欲しいという、なんとも緊張感溢れた内容のメールだった。

芙美子は情けないと恋人に悪態を付きながらも向こうにサツがいるなら仕方が無いと割り切り、ひとりでデパートに向かうことにした。

下手に動けば、警察が自分に目を付けてくるだろう。

今だって警察が自分にマークし始めているというのに。


家に居たら、その内訪問して来る筈。


法で裁かれるかもしれない不安に駆られながらも、芙美子は颯爽とバス停に向かい、バスに乗車してデパートへ。

日曜のデパートは人で賑わっていたが、一瞥することもなく芙美子は地下駐車場へと向かった。

日が射さない地下駐車場はシンと静まり返って不気味である。

人の気配が無いからまた不気味感たっぷりであるからして…。

自分が悪徳なことをしていると分かっているからこそ、この静寂は胸に異様な不安を残す。


不安を振り切り、芙美子は携帯を取り出して鳥井に連絡。