文句の一つでも言ってやらなければ…、芙美子はテーブルに置いていたマニキュアの瓶を壁に向かって投げる。
募る苛立ちを晴らすには性交しかないだろう。
芙美子は早く恋人が来てくれるよう願った。
だが悪いことは続くもので、恋人は連絡をくれるや否や行けなくなった旨を伝えてきた。
曰く、サツらしき人物につけられているという。
丁度、警察から電話があった手前、芙美子は多大な不安を抱いた。
恋人はヤグサと絡んでいる男だ。
別件で警察から虎視眈々と目を付けられている可能性もあるが、タイミングが良すぎる。用心に越したことはないだろう。
実はかくかくしかじか…、先ほどの内容を伝え、警察には気を付けるよう注意。
向こうも重々承知していると返答して、明日は一緒に鳥井に会いに行くと甘ったるい囁きを送ってくれた。
何かあればの対策も打つから、ガキ達の行方のことも何もかも任して欲しい。
恋人の強い励みに不安を抱いていた芙美子も一抹の安らぎを得る。
所詮向こうは愛情知らずの子達。
頭のキレる長男がいるとはいえ、裏社会人に敵う筈もない。
嗚呼、こういう時、男というものは頼りになる。
芙美子は次第次第に不安を拭えることに成功。
その日は色欲に疼く体を抱えながら、眠りに就いたのだった。



