えへっ、なんて、俺らしくもねぇ明るさ(嗚呼キモイぞ俺)で那智に泣き止むよう頼み込む。
サブイと連呼する鳥井を余所に、那智はようやく泣き止んで今食べているチョコレートケーキで最後にすると綻んだ。
「美味しいです」
残り少しのチョコレートケーキを一生懸命に噛み締めている。
嗚呼、良かった、やっと泣き止んでくれた。
俺は額に手を当てて小さく溜息。
あんな風に泣かれると、俺も泣きたくなるっつーか…、罪悪に苛む。
少し脅しただけなのに…、そんなに俺って凄みがあるんだろうか?
「取り敢えず、この飯代はてめぇ持ちな」
「……。来ると思った。
読めてたさ、若旦那がすることなんて。はぁーあ」
溜息をつく俺の隣で鳥井も大きな溜息。
笑顔を零しているのは那智だけだった。
こうして那智に十分な詫びを済ませると、揃って俺達はレストランから部屋に移動。
腹が満たされた那智はベッドに腰掛け、テレビを観始める。
直ぐ近くのテーブルに着いている俺達はさっさ打合せを始める。
「若旦那、ほんとにもう後戻りはできねぇぞ。
明日の夕方、文字通り部屋を好き勝手させてもらう。
仲間内に頼んできたからな」
意味深な台詞に俺は目を細め、小さく微笑を零して頷く。
戻れなくていい。
もう俺達にはこの道しかないんだから。
「しかしまあ…、普通の大学生さん、中学生さんだっつーのに、手前から過酷な道を選ぶなんてな。
俺的にはあまりオススメしない道なんだが。
当日、弟くんはどうするんだ? 俺の車に残しておくか?」
「それが一番妥当だろうな。
那智には車に残ってもらう。あいつには仕事なんざ任せられねぇからな」
アニメのチャンネルに変えた那智は、興味津々に話を見ている。
わぁっと声音を上げてアニメを見る那智の目は真剣そのもの。
那智はアニメが大好きだ。
幼少期に見られなかった分まで、よくアニメを見て楽しんでいる。
アニメだけじゃない。
テレビを見てはキャッキャ言って楽しんでいる。
普通の生活だからこそできることだ。
だけど、これからは…。
サブイと連呼する鳥井を余所に、那智はようやく泣き止んで今食べているチョコレートケーキで最後にすると綻んだ。
「美味しいです」
残り少しのチョコレートケーキを一生懸命に噛み締めている。
嗚呼、良かった、やっと泣き止んでくれた。
俺は額に手を当てて小さく溜息。
あんな風に泣かれると、俺も泣きたくなるっつーか…、罪悪に苛む。
少し脅しただけなのに…、そんなに俺って凄みがあるんだろうか?
「取り敢えず、この飯代はてめぇ持ちな」
「……。来ると思った。
読めてたさ、若旦那がすることなんて。はぁーあ」
溜息をつく俺の隣で鳥井も大きな溜息。
笑顔を零しているのは那智だけだった。
こうして那智に十分な詫びを済ませると、揃って俺達はレストランから部屋に移動。
腹が満たされた那智はベッドに腰掛け、テレビを観始める。
直ぐ近くのテーブルに着いている俺達はさっさ打合せを始める。
「若旦那、ほんとにもう後戻りはできねぇぞ。
明日の夕方、文字通り部屋を好き勝手させてもらう。
仲間内に頼んできたからな」
意味深な台詞に俺は目を細め、小さく微笑を零して頷く。
戻れなくていい。
もう俺達にはこの道しかないんだから。
「しかしまあ…、普通の大学生さん、中学生さんだっつーのに、手前から過酷な道を選ぶなんてな。
俺的にはあまりオススメしない道なんだが。
当日、弟くんはどうするんだ? 俺の車に残しておくか?」
「それが一番妥当だろうな。
那智には車に残ってもらう。あいつには仕事なんざ任せられねぇからな」
アニメのチャンネルに変えた那智は、興味津々に話を見ている。
わぁっと声音を上げてアニメを見る那智の目は真剣そのもの。
那智はアニメが大好きだ。
幼少期に見られなかった分まで、よくアニメを見て楽しんでいる。
アニメだけじゃない。
テレビを見てはキャッキャ言って楽しんでいる。
普通の生活だからこそできることだ。
だけど、これからは…。



