でも家に帰ってみて愕然とした。
那智はいないし、部屋は妙に片付いているし、だけど居間に沢山の洗剤とか、齧りかけの石けんとか、そんなの転がってて…。
まさか石けん食ったんじゃねえのかって…、那智、綺麗になるために洗剤とか口に入れたんじゃないかって…、飯を食べた形跡もないしっ、部屋だけは綺麗にされてて。
部屋中探しても那智はいねぇ。
なんで?
どうして?
そこまで思った時、俺、那智にぶつけた言の葉達を思い出して。
那智が出て行ったんだって気付いた。
そりゃ俺、怒ってたけど、やり過ぎたんだって、言い過ぎたんだって後悔した。
普通に怒ってそれで謝って赦してお仕舞い。
それで済むことだったのに、俺、醜い嫉妬心に駆られちまって。
気持ちだけがポーンと出ちまった。
冷たくしちまったし、心にもないことバッカ言ったし、弟じゃねえなんて馬鹿なことも口走った。
那智だって他人と笑う時くれぇあるのにな。
その気有無関係無しに、笑っちまうことくれぇあるのにな。
またてめぇに暴力…振るっちまったな。
急いでてめぇを捜したよ。
てめぇのことだからおれのために死ぬんじゃないかって、ほんと那智は優しいからさ…。
余計焦りバッカが出て。
んで、ようやく見つけたら、誰か知らない奴に触れられてっ…、怖かった。
永遠に那智が帰って来ないんじゃないかって、他人に取られるんじゃないかって…、ひとりぼっちになるんじゃないかって。
「兄さまは那智の兄さま失格だな。こんなに那智を傷付けて」
「違いますっ、おれが…、にぃ……治樹さ「兄さまって呼んで欲しい。那智にはまた兄さまって呼んで欲しい。俺の弟は那智だけなんだ」
晴れる視界、変わらずギラついているネオンに、密集している高層ビル。
息苦しいくらいに抱きすくめられるおれは、涙腺が崩壊したみたいで、ただただ呆然と佇んでいる。
夢を見ている気がした。
これは都合の良い夢を見ている気がしたんだ。
目が覚めれば、ひとりぼっちで居間にいて兄さまの帰りを待ってるんじゃないだろうか―?
那智はいないし、部屋は妙に片付いているし、だけど居間に沢山の洗剤とか、齧りかけの石けんとか、そんなの転がってて…。
まさか石けん食ったんじゃねえのかって…、那智、綺麗になるために洗剤とか口に入れたんじゃないかって…、飯を食べた形跡もないしっ、部屋だけは綺麗にされてて。
部屋中探しても那智はいねぇ。
なんで?
どうして?
そこまで思った時、俺、那智にぶつけた言の葉達を思い出して。
那智が出て行ったんだって気付いた。
そりゃ俺、怒ってたけど、やり過ぎたんだって、言い過ぎたんだって後悔した。
普通に怒ってそれで謝って赦してお仕舞い。
それで済むことだったのに、俺、醜い嫉妬心に駆られちまって。
気持ちだけがポーンと出ちまった。
冷たくしちまったし、心にもないことバッカ言ったし、弟じゃねえなんて馬鹿なことも口走った。
那智だって他人と笑う時くれぇあるのにな。
その気有無関係無しに、笑っちまうことくれぇあるのにな。
またてめぇに暴力…振るっちまったな。
急いでてめぇを捜したよ。
てめぇのことだからおれのために死ぬんじゃないかって、ほんと那智は優しいからさ…。
余計焦りバッカが出て。
んで、ようやく見つけたら、誰か知らない奴に触れられてっ…、怖かった。
永遠に那智が帰って来ないんじゃないかって、他人に取られるんじゃないかって…、ひとりぼっちになるんじゃないかって。
「兄さまは那智の兄さま失格だな。こんなに那智を傷付けて」
「違いますっ、おれが…、にぃ……治樹さ「兄さまって呼んで欲しい。那智にはまた兄さまって呼んで欲しい。俺の弟は那智だけなんだ」
晴れる視界、変わらずギラついているネオンに、密集している高層ビル。
息苦しいくらいに抱きすくめられるおれは、涙腺が崩壊したみたいで、ただただ呆然と佇んでいる。
夢を見ている気がした。
これは都合の良い夢を見ている気がしたんだ。
目が覚めれば、ひとりぼっちで居間にいて兄さまの帰りを待ってるんじゃないだろうか―?



