「ごめんなさい、ごめんなさい、もうしません…だから」


ずっと謝ってたら兄さま、一度だけおれを見て良い子で綺麗になったら赦してあげてもいいって言ってくれた。

良い子で綺麗…、良い子? 綺麗?


どうしたらなれるんだろう…。


もしも綺麗で良い子になったら、兄さま、またおれを弟だって思ってくれるかな?


方法を聞いてみた。

兄さまは綺麗に無視した。


自分で考えろ、らしい。


兄さまの弟に戻りたい…、赦されるならまたギュッとされたいな。



してくれるかな…。



もう、戻れないかもしれない。

考えただけで涙が込み上げてくるけど、今のおれには泣く資格さえない。

兄さまを裏切ったのは間違いなくおれだから。


おれが徹平くんと過ごした時間が楽しいなんて、浅かな気持ちを抱いてしまったから。


おれは一生懸命に考えてみた。


良い子のおれってどうだっけ?
綺麗なおれってどうだっけ? 


兄さまの好きなおれってどうだっけ?


寝室の四隅に座り込んで考えてみる。

頭の悪い愚者はどう頑張っても答えや方法を見出すことはできなかった。