「嗚呼、早く真の平和が訪れて欲しい。
那智、てめぇとずっとずっとずっと二人きりになりてぇよ。んでもって死ぬ時は、てめぇに殺されたい」
あ、やべ、那智も同じこと言ってたっけ。
困ったな。
両方、殺されることを願望だなんて。
手前で死ぬより、弟に殺された方が価値のある死に方だって思うしな。
だけど那智を置いて逝きたくないし、置いて逝かれるのもヤだし。
二人で安らかに殺し合える方法、追々考えとかなきゃな。
随分先の話になるんだろうけど。
俺は明るい照明灯の下、
いつまでもいつまでも、愛しい片割れの髪を梳きながら考えていた。
ふたりぼっちで生きる方法と、
ふたりぼっちを保つ方法と、
ふたりぼっちの生涯を終える方法を。