こっそりと溜息をつく俺に対し、「どれがいい?」福島は那智に焼きドーナツの入った紙箱を見せていた。
那智は苺を物欲しそうに見つめていた。気付いた福島が、それを紙ナプキンで挟んで手渡し。
受け取った那智は瞬きして焼きドーナツを見つめた後、俺に声を掛けてくる。
福島の目からすりゃこの味を取ってもいいか、という声掛けに見えるだろうけど、那智は俺にこれを食べてもいいか、って許可を貰うために声掛けしてる。
那智は忠実に俺の言い付けを守っているんだ。
飲み食いは俺に許可を取るって。
だから那智、学校にもワザワザ弁当を持って行ってる。
給食じゃ俺の目に触れないからって、弁当を持参するくれぇ那智は俺に従順だ。
俺が許可をすれば、那智は嬉しそうに焼きドーナツに齧り付いていた。
よっぽど腹が減ってたんだろう。
食べるペースはいつもの三倍。
買ってやったサイダーと一緒に食べている。
で、福島の奴、俺には選択肢もなくノーマルの焼きドーナツを手渡してきやがった。
…別になーんの文句もねぇけど、なーんか気に食わない。
「ド-モ」皮肉を込めて受け取れば、
「ドーイタシマシテ」皮肉の篭った返事が返ってきた。
妙な空気の中、俺等は三人で焼きドーナツを食べていく。
俺はふと那智に買ってやった観葉植物とプリザーブドフラワーのことを思い出し、1個目を平らげた頃を見計らって那智にそれを渡してやった。
まず那智は観葉植物のサボテンに大喜びだった。
同じ種類の観葉植物を三つも買ってやったもんだからどうかなぁ、って思ったけど、那智には同じサボテンに見えないらしい。
ご機嫌にサボテンが植えてある鉢を手に取って、「みんな可愛い」はしゃぎまくっている。
那智は苺を物欲しそうに見つめていた。気付いた福島が、それを紙ナプキンで挟んで手渡し。
受け取った那智は瞬きして焼きドーナツを見つめた後、俺に声を掛けてくる。
福島の目からすりゃこの味を取ってもいいか、という声掛けに見えるだろうけど、那智は俺にこれを食べてもいいか、って許可を貰うために声掛けしてる。
那智は忠実に俺の言い付けを守っているんだ。
飲み食いは俺に許可を取るって。
だから那智、学校にもワザワザ弁当を持って行ってる。
給食じゃ俺の目に触れないからって、弁当を持参するくれぇ那智は俺に従順だ。
俺が許可をすれば、那智は嬉しそうに焼きドーナツに齧り付いていた。
よっぽど腹が減ってたんだろう。
食べるペースはいつもの三倍。
買ってやったサイダーと一緒に食べている。
で、福島の奴、俺には選択肢もなくノーマルの焼きドーナツを手渡してきやがった。
…別になーんの文句もねぇけど、なーんか気に食わない。
「ド-モ」皮肉を込めて受け取れば、
「ドーイタシマシテ」皮肉の篭った返事が返ってきた。
妙な空気の中、俺等は三人で焼きドーナツを食べていく。
俺はふと那智に買ってやった観葉植物とプリザーブドフラワーのことを思い出し、1個目を平らげた頃を見計らって那智にそれを渡してやった。
まず那智は観葉植物のサボテンに大喜びだった。
同じ種類の観葉植物を三つも買ってやったもんだからどうかなぁ、って思ったけど、那智には同じサボテンに見えないらしい。
ご機嫌にサボテンが植えてある鉢を手に取って、「みんな可愛い」はしゃぎまくっている。



