俺は片眉をつり上げる。
「井坂先生が?」
なんでまたそいつが那智と…、疑問を投げ掛ければ、三好先生は失笑した。
「最近、那智くんが学校に来ていないことを気にしていて…、少し話をしたかったみたいなんです。
頑張って喋ったのよね、那智くん」
三好先生に顔を覗き込まれて、那智は一層俺に縋ってくる。
那智は井坂先生が大の苦手だ。
自分の体の痣をクラスメートに見られてしまった元凶であると同時に、積極的に学校に来るよう言ってくる。
自分に元凶があるって責を感じてるんだろうけど、那智としての心境としてはそっとしておいて欲しいところだ。
随分マシになったけど、やっぱ声を掛けられるらしい。
那智に目を落として名前を呼んでやる。
ギュッと俺にしがみ付いて服の裾を握り締めてくる。
俺は心のどっかで嬉々を抱いた。
あんなに傷付けておいてなんだけど、やっぱ那智は俺が必要なんだな。
「あ、それから、お兄さん。
那智くんのピアスについてなんですけど…、一応校則では原則ピアスは禁止なんです。
それを那智くんにも言ったんですけど、絶対外そうとしなくて…、大切な物なんでしょうか?」
おずおずと三好先生が俺にピアスの件を尋ねてくる。
十字架のピアスは俺とお揃いだ。
一組のピアスを半分にして、それぞれ片方の耳につけている。
那智は担任の大道先生や三好先生、大の苦手な井坂先生に注意されても頑なに身に付けていたとか。
大目に見て目を瞑っているがこれ以上のピアスは付けないよう、俺からも言って欲しいと三好先生は頼んでくる。
と、俺の耳を見て三好先生は目尻を下げた。
「だから外さなかったんですね」
俺とお揃いだということに気付いて、三好先生は納得した様子だった。
本当にお兄さんが好きなんですね…、しみじみと頷いて俺に綻ぶ。
「井坂先生が?」
なんでまたそいつが那智と…、疑問を投げ掛ければ、三好先生は失笑した。
「最近、那智くんが学校に来ていないことを気にしていて…、少し話をしたかったみたいなんです。
頑張って喋ったのよね、那智くん」
三好先生に顔を覗き込まれて、那智は一層俺に縋ってくる。
那智は井坂先生が大の苦手だ。
自分の体の痣をクラスメートに見られてしまった元凶であると同時に、積極的に学校に来るよう言ってくる。
自分に元凶があるって責を感じてるんだろうけど、那智としての心境としてはそっとしておいて欲しいところだ。
随分マシになったけど、やっぱ声を掛けられるらしい。
那智に目を落として名前を呼んでやる。
ギュッと俺にしがみ付いて服の裾を握り締めてくる。
俺は心のどっかで嬉々を抱いた。
あんなに傷付けておいてなんだけど、やっぱ那智は俺が必要なんだな。
「あ、それから、お兄さん。
那智くんのピアスについてなんですけど…、一応校則では原則ピアスは禁止なんです。
それを那智くんにも言ったんですけど、絶対外そうとしなくて…、大切な物なんでしょうか?」
おずおずと三好先生が俺にピアスの件を尋ねてくる。
十字架のピアスは俺とお揃いだ。
一組のピアスを半分にして、それぞれ片方の耳につけている。
那智は担任の大道先生や三好先生、大の苦手な井坂先生に注意されても頑なに身に付けていたとか。
大目に見て目を瞑っているがこれ以上のピアスは付けないよう、俺からも言って欲しいと三好先生は頼んでくる。
と、俺の耳を見て三好先生は目尻を下げた。
「だから外さなかったんですね」
俺とお揃いだということに気付いて、三好先生は納得した様子だった。
本当にお兄さんが好きなんですね…、しみじみと頷いて俺に綻ぶ。



