「明日にでも観葉植物、買って下さい。おれ、それで十分です。
兄さまったら、植木鉢、全部倒すんですもん。
ちゃんと元通りに戻しましたけど、新しいのも欲しいです。買って下さい」


「ん、分かった。買ってやる」


クシャクシャに頭を撫でて、俺は那智と一緒に夕飯を食べた。


その後は、風呂に入りなおし。
那智と一緒に風呂に入った。俺の傷付けた患部を全部見つけて把握するために。

風呂から上がった後は、俺が傷付けた患部たちを手当てする。
「兄さまは心配性ですね」那智はへらへらっと笑って赦してくれたけど、俺は手前が赦せなかった。


大事なもの、こんな形で傷付ける。


あるまじきことだった。


俺が傷付けた痣は意外と深くて酷い。
那智が敷布団に寝転がった際、「アイタ」小さな呻き声を上げていた。

俺には聞こえないように努力はしていたけど、俺にはバッチリ聞こえていた。

嗚呼、やっぱ加減なしにぶん殴ったせいで…、あたふたと那智に大丈夫かと言葉を掛ける。

大丈夫なわけないだろ、自己嫌悪に陥ったのは直後のこと。


そんな俺の様子を見ていた那智は、


「こうしましょう!」


思い付いたとばかりに手を叩いて、勢いよく上体を起こした。

アイデデ…、引き攣るような痛みに耐えながら、那智は俺の手を取って微笑む。


「兄さま、今から寝るまでの間、おれを目一杯、アイしてください! いつも以上に! それでチャラです!

さあ、どんと来いです! カモンです!
ん? ウェルカムでしょうか…?

カモン?
ウェルカム?

………。

カモン、ウェルカムです、兄さま!」


「おいおい、那智」