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「あんた、バーッカじゃないの!」
あくる日、大学に行った俺は二号館と呼ばれる校舎付近で福島にバッタリ遭遇。
開口一番に馬鹿呼ばわりをされた。
「ンだよ」
煩いと突っ返す俺に、福島は地団太を踏んで俺の後ろに隠れてる奴を指差した。
「ブラコンにも程があるでしょ! なんで、大学に弟くんを連れて来てるのよ! 中坊でしょ、那智くん!」
ビシッ。
そんな擬音語が似合いそうな大袈裟な態度で、那智を指差す福島に俺は肩を竦めた。
ううっと身を小さくする私服姿の那智は福島の視界から消えようと、そろそろーっと俺の背中に身を隠してしまう。
「イジメんな!」
俺の喰い付きに、
「那智くんは悪くないんだよ」
俺を総無視して那智に声を掛けやがった。
「おはよう」
ニコッと那智には爽やかな笑みを向ける始末。
「ぁぅ…お、ぉ…おは…ようございます」
「うん、おはよう。
那智くん、今日は(大馬鹿者のとんちんかん)お兄さんと一緒に大学に来たのかな? 学校はいいの? それともお兄さんに無理やり連れられて来ちゃったかな?」
「おい、福島っ、なんで那智に話し掛け」
「ぁぅ…学校…ぁ…まり…、無理やりじゃ…なぃ…です」
「そっかぁ。那智くんは優しいね。
じゃあ、お昼はお姉さんと一緒に食堂にでも行く?」
「ふっ、フザけるな! ナナシ女っ、てめぇ」
「しょく…?」
「あー馬鹿お兄さん、食堂も教えてないんだ。酷いねー」
こ、この女…那智に馴れ馴れしいっ。
ぶっ飛ばすぞ。
マジ、ぶっ飛ばすぞ。
「二人でご飯食べようかってナンパしてるんだよ。
(クソ)兄貴はともかく、那智くんならお姉さん大歓迎だな」
………。
ほんっきでぶっ飛ばしても、赦されるよな? なあ?



