「ぅぁっ…」
微かな悲鳴を上げる那智は俺の後頭部に手を回して、背中にも手を回して、抱き締めてきてくれる。
アッタカイ体温、首筋に触れると肌打つ脈に…、那智の命の音。
全部全部ぜんぶ、俺の。
思うだけで俺はとっても満たされる。
俺はひとりぼっちじゃない。
セックスじゃない意味で、もっと別の意味で、那智と一つになれたいいのに。
そうすればいつでも何処でも一緒なのに。
「ぅぁ…ぅ…にいさまっ…、」
食い込む歯は守っていた弟を深く傷付ける。
それさえ俺は快感になりつつあった。
だって那智の体に俺が刻まれる。素敵じゃねえか。
でもな、那智。
兄さまは那智を守って生きたいんだ。
傷付けてぇなんて微塵も思ってねぇからな。
ただ、愛して欲しいんだ。
ひゅ…、痛みに喉を鳴らす那智を癒すために、今度は噛んだ場所を舐め上げる。
くっきりとついた歯形の箇所に舌を這わせて、俺は那智を見つめた。
「那智、今からてめぇは兄さまの許可した物しか口にするな」
「へっ…」
瞠目する那智に、
「飲み食いする時には兄さまに聞け」
そう言って左耳を食んで甘噛み。
「でも」何か言う前に食んでいる耳を舐める。
初めての行為に那智は身を強張らせていた。
「許可した物しか口にするな。いいか那智、守れるな?」
「み、耳は駄目です。にいさまっ、耳っ」
変な感じがする。
那智は慣れない感覚に微動、俺は気持ちを高揚させた。
脇以外にも弱点見ーっけ。
クスリと笑って俺は執拗に耳を嬲る。
合間合間に那智に言う。
極力兄さま、もしくは自身が作った料理を口にするように。
人から貰ったものは安易に口にしないように、まず兄さまに見せること。
許可なく飲み食いしたら、仕置きしてやる。



