(旧)ふたりぼっち兄弟【BL寄り】

那智と視線を合わせると、胸が熱くなる。

そんな俺は確かにいるけど、これは欲情じゃない。愛しさだ。

家族愛が胸を占める。


那智の体を跨いで見下ろしてみるけど、ん、やっぱ欲情しねぇ。
胸は熱くなるばかりだけど、コウフンはしねぇや。


大好きな弟でさえこれだから…、超枯れてるのか? 俺。


だからって女には欲情しねぇし。

男? 論外。
せめて那智に欲情できたらいいけど、それもねぇし。


なんかそれも男として虚しいよな。


って、思ってたら、「よいしょっと」那智がいそいそと服を脱ぎ始めた。

上半身、下着姿になろうとする。


―…いやいやいや、ちょっと待て、那智。


俺は全力で止めた。


「おい、那智。兄さまはそういう気、まったくねぇぞ」


「え? 兄さま、そういう意味で押し倒してきたんじゃ…。
この体勢で、しかもだまーって見下ろされるもんだから、てっきりセックスがしたいんだと。

兄さまが望むなら、おれ、頑張ります。
おれ、頑張って兄さまを抱きますから…、安心して下さい!」



は?


俺は愕然とした。

多分、今の俺は世界で一番間抜けな顔をしているに違いない。


だって俺、え? 俺が抱かれる?


ちっげぇだろ、逆だろ!


「那智くん。もしかして兄さまを抱くつもりか? ご冗談を」

「だっておれ、男ですもん」


では兄さまが女に見えるとでも?

だったら俺の呼び名は今頃“姉さま”だ。