「チンピラの話によると、睡眠導入剤は俺に投与したって話になってたらしいが…。
つまり、本来は那智じゃなくて俺が眠気に襲われていたことになる。
依頼主は俺の喧嘩の腕を知ってたんだろうな。
けど目論み外れて那智がそれを呑んじまった」
じゃあ、いつ睡眠導入剤を投与されたか。
決まりきってる。
あのファミレスで飯を食った時だ。
ということは、俺と那智以外の誰かが…、睡眠導入剤を忍ばせたってことになる。
那智ではないのは確かだ。
俺はいつも那智の持ち物を検査してるし、第一、病院を拒む那智だ。
どうやって睡眠導入剤を入手する?
ここ数日は一切の外出も禁じてたしな。
しかも手前が呑んじゃ話がおかしくなるだろう。
自作自演にも程がある。
だったら必然的にあの四人の中に、俺等を、いや俺を狙ってる奴がいるってことになるだろ。
それだけじゃない。
今日の事件といい、前回の通り魔事件といい。
何かしらで関与している人物が、あの四人の中にいるってことになる。
偶然にしてはおかしいと思ったんだよな。
あそこで前回の通り魔事件を知る人物が全員顔を合わせるなんて。
んでもって今日みたいな事件が起きるなんて、やっぱおかしいだろ。
いや単に偶然だったのかもしれねぇが…、どっちにしろ四人の中に盛った奴がいるのは確かだ。
俺は紙とボールペンを取り出して図を描いた。
「今日、俺達が座っていた席順は…那智と福島を壁側にして」
福 安 浩
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壁 ┃ 廊
┃
側 ┃ 下
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那 俺 優
「廊下から壁に向かって飯を流れ作業で渡していく。
その時に…盛られたって考えるのが筋だな」



