(旧)ふたりぼっち兄弟【BL寄り】

大袈裟な悲鳴を上げながら、その場に蹲る金髪チンピラを蹴り飛ばして、俺は倒れている茶髪チンピラに目を向ける。
すっかり怖じてる相手は、何やら意味不明な言葉を発している。

命乞いか、それに気付いた俺は相手に笑みを浮かべた。


「今の俺はすこぶる機嫌が悪い。その腕、もしくは足、貰うぜ?」


嗚呼、大丈夫だ。
俺は喧嘩慣れしてっから、どうやったら相手の骨が折れるか、その知識くらい持ってる。

デッキブラシを拾って、茶髪チンピラに歩み寄る。
慄く相手は顔を引き攣らせて、ずりずりと後退。往生際が悪いな。


「勘弁してやってもいいけどな。ただし俺の条件を呑んだらの話だけどな。
例えばてめぇは助けてやるけどそっちの奴は助けてやらない、とかな」


不意に俺が相手に伝えると、途端に縋るように何でも言うことを聞くって言ってきた。
寝返るってのは、まさにこのことだな。


だから他人なんざ信用なんねぇんだ。

他人は直ぐに相手を裏切る。


那智はどんなことがあっても、俺を裏切らない。

てめぇ等とは違う。



嗚呼、他人なんざ…他人なんざ汚い。


汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚いきtan―…!


吐き気がすr!
そうやって誰彼と裏切っていk!
他人なんざ汚い他なんでもn!

信用でk!

気持ちわr!


父母も母の恋人も近所もクラスメートも誰も彼もが俺等のてki!


―――…やべぇ、手前で分かる。俺、取り乱してきた。
嗚呼、さっさとこいつ等と外にいる奴を片付けて、家に帰ろう。

那智連れて、家に帰ろう。
色んな問題あるけど、目前の奴等に情報を聞くだけ聞いて、家に帰ろう。


んでもって那智が起きたら、ギュってしてもらおう。

俺も那智を抱き締めるんだ。



那智、てめぇだけが綺麗だって思える。

俺を異常とも思わないてめぇに、抱き締めてもらいたい。



あ、那智を思うだけで胸が熱い。



(この気持ちが俗に言うアイシテル―…、だよな)



俺は相手の怖じた顔を冷然と眺めながら、切れた口端を舐める。
甘い鉄の味が口腔一杯に広がった。