(旧)ふたりぼっち兄弟【BL寄り】

兄さまの背を見送ったおれは、なるべく周囲と視線を合わさないように、空になったお皿を見つめておく。

今日のビーフドリア、美味しかったなぁ。


家でも作れるのかな。

おれ、まだまだ料理下手くそだしな。


兄さまの方が断然料理は上手だから…、兄さまに作ってもらおうかな。


「なあなあ、那智くん。ちょっといいか?」


おれはびっくりして身を竦めた。

だって、兄さまの隣に座っていた優一さんが詰めて座って来たんだもん。

しかも前触れもなしに声を掛けられて、すこぶる驚いた。心臓に悪い。


「ごめんごめん」


驚かせたことを謝罪してくる優一さんは、おれに小声で聞いてくる。


「実際のところ…、兄ちゃんとデキてるのか?」


デキてる。
それは恋人として?

おれの疑念に気付いた優一さんが、

「恋人なのか?」

言い直してくれた。

ちがう、おれは意味を込めて首を横に振る。

だっておれと兄さま、ヨクジョーし合ってないから。


恋人=欲情関係


おれの中ではそういう式が出来上がっている。
兄さまも同じだと思う。


だからおれと兄さまは恋人じゃない。

じゃあどういう関係か?


大切で、かけがえのない家族だ。



「デキてない…のかぁ。
そっかそっか、けど、治樹の那智くんに対する執着心は異常だよな。

まるで束縛だ。君を支配してる」



ボソッと呟く優一さんの台詞に、おれはキョトンとする。


「そうね」


安河内さんも便乗して話に加担してきた。