だけど、おれの予想は見事に外れる。
ファミレスに入ると席は満員。一組は椅子に腰掛けて待たされていた。
それだけでも兄さまの機嫌は急降下になるんだけど、待たされていた一組がなんと兄さまの知り合いの方だった。
おれも一度、二度、お会いしたことある女性二人。
福島さんと安河内さんだった。
「なんでてめぇ等がっ…、優一達といいっ…グルなんじゃねえか? てめぇ等」
偶然の重なり合いに兄さまは青筋を立てる。
あんまり会いたくなかったみたい…、お友達じゃないのかなぁ?
どうやら福島さん達はお友達さんの家に行って、その帰りにご飯を食べる予定でファミレスに来たみたい。
兄さまの言い草に、「何の話よ」福島さんが食らいついていた。
「こっちは彩加の家に行って慰めてたのよ。どっかの阿呆が傷付けてくれるから」
「へー、そのどっかの阿呆。お目に掛かりたいものだな」
「あたしの目の前にいるわよ」
「あっそ。そりゃ良かったな」
福島さんと兄さま、仲が良くないみたい。
視線をかち合わせれば火花が散ってる。
そうこうしている内に、ニコッと女店員さんが営業スマイルでおれ達のところにやって来た。
「あ、いま、六人掛けボックス席が空きましたが。
皆さま、全員お連れさまでしたらご案内できます」
兄さまや福島さんが言う前に透かさず、
「じゃお願いします」
優一さんが満面の笑顔で案内を頼むもんだから、二人の機嫌が低空飛行になった。
なんで一緒に食わなきゃいけないのか、しかもむかつくコイツと!
口を揃える兄さまと福島さんはある意味、息がぴったり。
浩司さんと安河内さんはお腹が減ってるし、満席だからこの際仕方が無いって妥協してくれたけど…、二人はそうはいかないみたい。
絶対に嫌だと言い張っていた。
でもまあ、結局…。
入り口で揉めても他のお客さんに迷惑が掛かるからと、六人掛けテーブルに丁度六人で座る羽目になったわけで。
おれは初めて、プライベートで兄さま以外の人と一緒に食事をすることになった。



